「屏風がきれいになり、大変嬉しく思います。」
菅原道真公をお祀りしている大阪天満宮様は、大阪では天神さんとして古くから信仰を集め、特に夏の天神祭は日本三大祭りとして広く知られ、親しまれています。
その大阪天満宮様より「流鏑馬神事」六曲一双屏風の修復のご依頼を頂きました。
修復前
毎年10月25日に行われる流鏑馬神事の様子を描いた屏風です。経年劣化のため棹の朱塗が剥げ、各所に破れや傷みができていました。
特に武者が描かれている右隻は傷みが激しく、つなぎ目の蝶番部分が切れてばらばらになっており、部分的に大きく破れがありました。
修復方法
- 屏風を一扇ごとに解体し組子から本紙をはずし、それぞれ破れ等傷んだ部分を補修しました。
- 朱塗りが剥げた棹は新調し朱漆を塗りました。
- その後分解してそれぞれに修復した部分を組み立て、元通りに仕立て直しました。金具は元の物をはずして使用しています。
修復後
納品風景
納品時には禰宜の柳野様、大阪天満宮文化研究所の近江先生はじめ、関係者の方々に修復された屏風を御覧頂きました。きれいになった屏風に大変お喜びでした。
流鏑馬神事の様子
10月25日の流鏑馬神事に合わせて修復が完了した屏風も本殿にて公開され、多くの人がご覧になっていました。
境内には大勢の人が集まり、道を流鏑馬の騎馬武者が駆け抜け的を割るたびに歓声があがっていました。